「循環経済(サーキュラーエコノミー)」とは、資源を循環利用し続けながら、新たな付加価値を生み出し続けようとする経済社会システムのこと。大量生産・大量消費を前提し、資源の循環利用を想定しない「線形経済(リニアエコノミー)」の反対概念として位置付けられ、資源の浪費に依存しない持続可能な経済発展に貢献します*。
この循環経済を街レベルで実現しようとしているのが、「丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)」にあるビル約30棟の廃棄物を管理する三菱地所が始めた、循環型社会の実現に向けた取り組み「サーキュラーシティ丸の内」です。
この取り組みでは、「Reduce(リデュース)」、「Reuse(リユース)」、「Recycle(リサイクル)」の3Rや、シェアリング、アップサイクルを推進し、2030年までに廃棄物再利用率100%を達成し、さらに単位面積あたりの廃棄物排出量を20%削減(2019年度比)することを目指しています**。
資源から原材料を作り、さまざまな工程を経て作られたプロダクトを消費者の元に届ける一連の流れを「サプライチェーン」と呼びます。「サーキュラーシティ丸の内」は、「ゴミ=資源」を川上とするもう一つのサプライチェーンをデザインする取り組み。人やモノをつなげることで、街に新たな循環を生み出します。
本展では、日本の経済を支えるエリアのひとつ、丸の内エリアの「ゴミ=資源」の循環のデザインを、8つの事例を通して探ります。
また、アーティストの目線から有楽町の風景を捉え直す「有楽町アートサイトプロジェクト」に取り組んできた「東京フォトグラフィックリサーチ(TPR)」は、「ごみ」と「資源」をテーマに制作した写真・サウンド作品を展示。アートとデザイン双方からのアプローチで「ゴミ=資源」のリアルを体感してください。
「ごみ」と「資源」の分水嶺に新たな視点をもたらす
TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH(小山泰介/梅沢英樹/山本華)
https://www.tokyophotographicresearch.jp/
ごみという「状態」は、扱う人、つまりそれを見定める人の視点によって意味が変わる、その曖昧さにこそ、循環することの面白さや、循環型社会を達成していく可能性がある。東京フォトグラフィックリサーチは今回、リサイクルセンターを満たすダイナミックな動きや強烈なディティールをモチーフに、写真と音の表現を通じて、ゴミと資源の分水嶺に新たな視点をもたらします。
企 画・主 催:公益財団法人日本デザイン振興会
協 力:三菱地所株式会社
アート展示:TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT
アート協賛:大丸有SDGs ACT5実行委員会
取材協力:AIPA株式会社、市川環境エンジニアリング株式会社、NPO法人大丸有エリアマネジメント協会、株式会社春江、三菱地所株式会社 エコファニ、三菱地所プロパティマネジメント株式会社、株式会社Nature Innovation Group アイカサ
アートディレクション・デザイン:廣村正彰
コピー:蓑田雅之
映 像・編 集:垂見幸哉