さまざまな分野のデザイン5000件以上が応募されるグッドデザイン賞は、さまざまな領域の最前線で活躍する国内外のデザイナーや建築家、研究者、企業経営者などによる審査委員が、それぞれの知見に基づいて議論を重ね、受賞を決定しています。
この「私の選んだ一品」は、審査を離れ、審査委員一人ひとりが個人的なお気に入りや、注目した受賞デザインを選び、紹介する毎年恒例の企画です。
今年は、国内外のグッドデザイン賞、ロングライフデザイン賞の審査委員、全99名が選んだ「一品」90点を、そのデザインが活用される9つの領域に分類し、審査委員のメッセージとともにご紹介します。
全てを見通すことが難しい現代ですが、さまざまな視点から生活や産業、社会のデザインに取り組む審査委員が選ぶ今年の「一品」からは、私たちが生きるいま “2022年のデザインの手ざわり” を感じることができます。
審査委員が注目した90のデザインから、あなたは何を感じ、どんな未来をイメージするでしょうか。
安次富 隆 プロダクトデザイナー
産業用ロボット [FANUC Robot M-1000iA]
国際ロボット展で、その力強い姿としなやかな動きに見とれてしまった。能の舞を鑑賞しているような感覚。1000kgの重量物を0.1mmの精度で移動できるM-1000iAは、器用な巨人の腕に見えてくる。パワーとインテリジェンスを備えたリアル・ガンダムの腕とでも言おうか。剛柔の両立は、ロボットのみならず全てのデザインの指標となるだろう。
齋藤 精一 クリエイティブディレクター
NFTを含む山古志住民会議の取り組み [NFTを含む山古志住民会議の取り組み]
NFTが社会の道具になったときそれは様々な課題を解決する方法になるかもしれません。そんな可能性をいち早くまちづくりに実装している山古志の取り組みは今後の過疎地域や労働人口の少ないセクターなどの問題解決方法を見出してくれることを強く期待します。
秋山 かおり プロダクトデザイナー
樹脂判別センサー [RICOH HANDY PLASTIC SENSOR B150]
この樹脂判別ハンディセンサーは、各現場に多大な貢献を果たすだけでなく、今まで辛かった分別作業を今後楽しくも感じさせる可能性があると感じました。いずれは、デザインワークの中で、また子供と日用品やおもちゃを破棄する際などでも。日々の生活が変わることを予感させてくれる製品です。
網野 禎昭 建築設計/研究者
鉛筆という、これ以上ないくらいシンプルな道具にも、こんな工夫の余地があったんだ!それも、芯を途中で止めるという、これまたシンプルな発想で、ちびた鉛筆をバイオマス資源に変えてしまった。道具に使いやすさを求めるデザインは多々あれど、みんなの役に立つという新しい機能性をイチオシ!
安東 陽子 テキスタイルデザイナー/コーディネーター
私は仕事柄、アトリエでは生地を裁断するのに裁ち鋏を使います。多様な素材の生地を思い通りのラインで切り取るために、ハサミにはこだわりがあります。
一方、キッチンでは包丁を手にする方が多いですが、この「料理のハサミ」は、素材との関係を見直すきっかけと料理の楽しさを教えてくれる気がします。
朝倉 重徳 インダストリアルデザイナー
どんな悪路も走破するクローラー(無限軌道/キャタピラ)。
それを実現するメカ機構は、無機質でありながら生き物のようにダイナミックに動き、ある時は段差を吸収し、ある時は障害物を乗り越えて進む。
この台車を使うと、わざわざ悪路を選択してしまいそうだ。
Carl Liu デザインディレクター
Uni- one designs for disable people and special users to move around freely without a visible control unit. I like the design because it does not look like a wheelchair! The styling is elegant and friendly; the wheels are covered intentionally trying to give an impression of hi-tech torso extension inspead of an add-on tool or an equipment. It does not over addressing technology but humanity.
千葉 学 建築家
子供の頃、絵を描くことには夢中だったが、絵の具やクレヨンの色にはいつも落胆していた。何で12色なのかと。調色しても24色になっても、樹の緑のグラデーションはもっと豊かなのにと感じていた。この「海のクレヨン」は、そんな子供に新鮮な興奮を齎してくれそうだ。もちろんそれでも色は足りないが、自然が本来持つ豊穣さに気付かせてくれる美しいデザインだ。
Chi mei Chang グラフィックデザイナー
民族を知る旅・ボランティア旅行 [東部海岸原住民族ワーキングホリデー]
為解決公部門輔導偏鄉原住民部落觀光產業的困境,團隊創造創新的設計方案–「東海岸部落工作假期」,以「不只認識、更要參與,與部落共同完成一件事」。以創新手法採集部落的文化元素轉譯成大眾可親近、參與的方案:清潔美化環境、改造公共空間、優化遊程內涵。自2013年開始已持續推動10年,累積47場次,1905位國內、海外志工共同參與。此案以外人參與部落文化,成就觀光客與部落成為朋友關係,是每年最受歡迎的台灣東海岸觀光旅遊活動。
Chiyi Chang 建築デザイナー
兼具美感、環境衛生與產業振興的全新典範。
位於新竹市南寮漁港的「波光市集」,以海浪為主題的海岸建築;波浪狀的屋頂設計,除提高排水性也可抵禦強風,再結合漁港自然風光意象與夜間的光環境營造,將落寞破敗的漁村完全翻轉,帶動全新水岸體驗觀光產業,地方創生趨動年輕消費族群,感受到新竹這座城市之美。牆面以鋼構與檜木集成材所打造而成。為抵禦強烈東北季風,檜木集成材牆板厚15公分,且每塊牆板皆以鑽孔與鋼構接合,栓孔總數共1萬4208個,每個孔位植入螺栓後再逐一以檜木填縫。
ドミニク・チェン 情報学研究者
Notionはいまやわたしの仕事を支えるインフラのひとつとなっている。学部のゼミ生や大学院で指導している学生たち、そして共同研究者たちとの研究のプロセスが世代を超えた共有資本になっている。白紙のノートにペンで書き込むようなUIの楽しさをデジタルでも味わえるデザインがとても気に入っています。
藤本 幸三 ICICLEコーポレートアドバイザー
デザイン発信拠点「AXIS」は、1981年にオープンし「デザイン」を見据える複合商業施設として、デザイン、メデイア、アートギャラリー等ハイレベルなテナントが入居しており六本木の一大文化拠点となっている。中でも創業と共に創刊したデザイン誌「AXIS」は時代と共に変化するデザインの概念を見据え続けている。
藤城 成貴 プロダクトデザイナー
炭酸飲料を冷たいまま持ち運ぶという希望がこのプロダクトによって叶えられた。
ピクニックやキャンプはもちろん、何と言っても仕事の後の冷たいビールがどこでも味わえる。
シンプルな目標とは裏腹に開発の背景を聞くと、とてつもない苦労が見えてくる。
個人的にも愛用したいと思い、一品に選ばせて頂きました。
藤原 徹平 建築家
数年前に噂を聞きつけて、見学に行ったことがあります。私立の農業高校がどうしてできたのか、なぜ携帯電話が禁止なのか、彼らの営みの歴史に心が動かされました。ようやく時代が彼らに少し追い付いてきたのかもしれません。未来をつくる学校だと思います。 野沢正光さんが丁寧に設計した建築を宝物のように慈しんでおられることが説明の端々から感じられ、建築設計者として本当に誇らしく思いました。
Gary Chang 建築・インテリアデザイナー
What an innovative way to develop a school for kids which fully embraces the spirit of the time: that of fluid Interpretation of both space and time after “Work from Home”. optimising the use of existing urban and rural resources to enable a very meaningful and engaging new way of Learning, with multiple connectivity between urban and rural resources, be it for places or people, another brilliant application of Sustainability!
原田 真宏 建築家/大学教授
ヒートポンプ式温水暖房機 [パナソニック ヒートポンプ式温水暖房機 K/Lシリーズ]
エアコンなどの空調機器では、インテリアに現れる室内機のデザインは様々に工夫され進化してきたけれど、街並みや隣家に向けて露出する室外機については、ほとんどデザイン的な配慮がなされてこなかった。都市空間をデザインする立場として、これはずっと残念に思っていたが、ついにこの問題に応える室外機が生まれたようで評価したい。 現在は欧州での販売に留まっているようだが、コロナ以降、国内でも人々の屋外空間利用の機会は増え、それに伴って都市への意識も高まりつつある。この分野の国内最大手であるメーカーには、勇気を持ってこの国の都市景観形成をリードしていただきたい。
橋田 規子 プロダクトデザイナー
バイオマス樹脂で成形した、シリコンブラシ付きのシャワーヘッド。今までにない素材感と形がおもしろい。さらに、ダンボールのパッケージがわくわくさせてくれる。
橋倉 誠 プロダクトデザイナー
60年代に組立式ミシン台を実現するために生まれたこの鬼目ナットは、家具などの部材の結合に今や欠かせないものになっている。環境にも優しい容易な組立分解やフラットパックでの輸送を可能にし、DIYの幅も広げた。表には見えない小さなナットが、モノ作りを支えている。素直に機能を追求したかたちは彫刻的でどこか愛らしい。
服部 滋樹 デザイナー/クリエイティブディレクター
仕組みや生産方法など、一次生産品の信頼は生み出されるまでのプロセスに宿っている。
久しく、そのプロセスを見る目が育ったのか?商品その物に直感的な感性で捉える事を忘れていたのかと・・・ハッとさせられるパッケージでもあった。
傷のついたミカンに絆創膏を貼るなど、手間の掛かる作業がメッセージ化し生産者の方との距離を縮めてくれる。レトロな段ボールパッケージからは想像以上の効果が見えてくる。
林 厚見 建築/都市プロデューサー
認知症の高齢者にも自由と出番があるべきとの信念を、地域の人々との関係も含めて形にしてきた銀木犀。更に空間的な豊かさを追求し、結果的に事業の持続性にも繋げてきたそのあり方は決して汎用的で簡単なものではないだろう。無限に拠点を増やす拡大志向を持たず、人々や事業者に各々の向かう先を問いかけ委ねていくかのような経営のスタンスにも強い共感を覚える。
林 裕輔 プロダクトデザイナー
プラスチック食品包装容器 [プラスチック減容容器 [「RidU(リデュー)」シリーズ]]
純粋に、ぺしゃんこにするのが楽しい。食べ終わったら洗って、きれいに潰して、リサイクルへ。
こういった真面目なローコスト容器の再設計が今本当に必要だと思う。
林 信行 ジャーナリスト/コンサルタント
足腰の衰えなどで無駄な移動ができなくなったお年寄りを含め、地域の人々が「必要」を通して自然に集えるサードプレースとなっている点が素晴らしい。コミュニティー形成の手段としても改めて注目に値する「縁側」の文化を、医師と患者の間の縁側的存在である「薬局」に取り入れたことで、今後、従来の医療だけでは手が届かない、細やかなウェルビーイングの促進にも期待が持てそうだ。できれば、この一軒だけに止まらず日本発の新しい医療文化として、世界に広まって欲しいとも思う。
平賀 達也 ランドスケープアーキテクト
審査会場で目に留まった「平賀源内甲子園」(え、何これ?)。讃岐出身で日本初のコピーライターと言われる源内にちなみ、県内の学生を対象にキャッチコピーコンテストを2015年から開催(お、いいねぇ!)。主催者の「瀬ト内工芸ズ。」曰く、キャッチコピーとは一瞬で人の心をキャッチする言葉とのこと(平賀一族大いに賛同‼)。
廣川 玉枝 クリエイティブディレクター/ デザイナー
これぞまさに、我が家の愛猫のために探していたフードボール!というくらい引きつけられました。しっかりとした木の台座は、インテリアに馴染むこと間違いなし。絶妙な高さの台座の上にのる、ずっしりと重みがある金属の器は、角度が自在に変えられて動物想いが伝わり、ペットが食べる毎日の姿にも癒されそうな一品です。
廣田 尚子 デザインディレクター
頭と心が同時に作用して読み進むような新聞。抜群に美しいグラフィックとシンプルな言葉で本質を伝えるタブロイド判だ。小学高学年から中学生のこどもと、こどもに寄り添うおとなが読みたくなる。それは情報を提供する紙というよりも、こどもを「社会の大事な構成人」と捉えて、情報に踏み込む入り方を示してくれているようだ。
本田 敬 プロダクトデザイナー
カップ焼きそばの湯切り方式が一目瞭然の蓋から、横長形状=パスタすっぽり、そのまま混ぜわせて、、、洗い物少なく合理的で、でもチープじゃない。パッと見た第一印象でこの製品の魅力が一目で伝わるデザイン。好感が持てて、使ってみたい、欲しいとなりました!
堀田 峰布子 ビジネスデザイナー
掃除機 [日立 コードレス スティッククリーナー PV-BH900SK]
再生プラスチックを積極的に活用するサステナブルデザインのお手本となる実践例。再生プラスチックを使いながら高い外観品質を実現するダークトーンの色味、樹脂種類と特性を活かした各パーツへの採用、パーツ毎のシボの工夫、二次加工の削減など、循環社会の実現に向けた企業の志を感じるデザイン。
寳角 光伸 プロダクトデザイナー
冷蔵庫 [日立冷蔵庫 「Chiiil」 R-MR7S/R-MR7SL]
家具や道具に近づいた。Chiiilは、インテリアアイテムとして配置しやすいように、サイズと排熱構造を考えている。機構内部からではなく、空間の中でどう使いたいか。周りの家具や部屋のレイアウトで余計な工夫をしなくていい道具になってきた。
五十嵐 太郎 建築評論家
オープン直前に見学する機会を得たが、高架下の建築と聞いて、よくある店舗だと思っていたら、オフィスという新しいプログラムに驚かされた。高架を支えるコンクリートの柱群と構造を切りながら、自立する木造の二階建てを共存させる特殊な空間のつくり方も興味深い。土木、建築、そしてインテリアのスケールが出会う場所である。
飯石 藍 都市デザイナー
一箱本棚オーナーを募るシェア型図書館の形を取りながらも、立ち上げたのは地元在住の医師。本を通じた場所でありながら、ケアし合える・気軽に相談し合える・居場所となる拠点としての機能を果たしている。まちと人、まちとケア・医療福祉等、多くの分断された関係性を紡ぎ直す素晴らしい取り組み。
井上 裕太 プロジェクトマネージャー
意志を持って経営され、長く顧客や地域に愛され、社会に価値を生んでいる。そんな企業の後継者不在による廃業が増えている。技術や知見、地域資源の喪失は社会課題だ。個の思いを起点とした事業承継を促進する意義は大きい。新たな起業家や経営者を育て、培われたカルチャーを次世代に継ぐためのデザイン。
色部 義昭 グラフィックデザイナー/アートディレクター
ステンレスマグ [象印 ステンレスマグ SM-MA25.35/SM-ZB36.48/SM-GA60.72]
象印の文字が取れて文字通り象だけの印になりました。
象印を作ってきた人にも、象印を使う人にも優しい進化で、とても良いなと思いました。
伊藤 香織 都市研究者
混浴温泉世界や国東半島芸術祭は、アートという情報を消費しに行くのではなく、アートに出会い地域に出会う忘れがたい体験でした。アートは課題解決の直接的な手段ではないので、地域へはゆっくりじわじわとしか効かないはず。時間をかけて、地域に根ざして、続けていることに意味があると思います。
岩佐 十良 クリエイティブディレクター、編集者
政策も特産品のブランド化も重要だけど、地域活性化には「かっこいい会社がある」ことも重要。矢萩土建は20年前から自社倉庫にスケートパークを作り、2020年、「245skate park」へと発展させた。さらに面白いのは除雪車を格納している車両基地を冬季のみスケートパークにする官民一体の取り組み。無理、無駄がなく、雪国の「発明」とも言える。
岩月 美穂 建築家
行きたくなる・体験したくなる空間。機能は選べるトイレ。大きさはたたみ1畳から2畳程の6種類の平面で、高さは12mから4mまで高さの違う塔がリズムよく分棟で建っている。経済至上主義的な同じものの反復ではなく、人間らしい多様な空間から生まれる都市の風景は、街路樹の木陰や太陽の光のむらを緩やかに映し出し、街に彩りを与えている。
Jian Liu 都市プランナー/デザイナー
A very simple but creative design for a conventional stationery which can save 2/3 of material per piece. It shows a care for the efficient utilization of natural resources while guarantee an effective function.
Jongrae Park デザイナー
Cosmetic [Wonder Vegan Label Mochi Toner]
地球環境を考えるパッケージデザインとしてリサイクル素材の使用、プリントフリー、ラベルフリー、コーティングフリーを実践している。 製品に対する最小限の情報を表示しながらパッケージデザインと化粧品カラーでアイデンティティをよく反映している。 既存、化粧品の容器デザインと社会的責任に対して多くのメッセージを与える優秀なデザインだ。
鹿野 護 デザインディレクター
美しく読みやすいフォントです。
情報を発信する企業にとって、文字はとても重要な要素ですが、その形状にこだわりフォントを作ってしまう、という姿勢が素晴らしいと思いました。
企業の情報発信の質を底上げするデザインです。
片岡 哲 プロダクトデザイナー
カメラ用交換レンズ [RF100mm F2.8 L MACRO IS USM]
基本性能やこだわりの造形ディテールも素晴らしいが、何よりボケ描写を操れるというダイヤルが最高に楽しいレンズ。背景のボケをフワッとさせたり、キラキラさせたり、これまでならレンズの性格として事前に選択するしかなかった事を、一本のレンズで瞬時に調整!を実現してくれる。
川上 典李子 ジャーナリスト
掃除機 [日立 コードレス スティッククリーナー PV-BH900SK]
再生プラスチックの特性に向き合ったうえで、意匠用添加材料は用いず二次的加工も極力避けるなど、ぶれない視点と開発姿勢に拍手を送りたい。再生樹脂の種類の使い分けも丁寧で、デザインの力が随所に活かされてこそ実現されうる凜とした姿だ。今日の家電製品における美のあり方に考えを巡らせるうえでも示唆に富んでいる。
川西 康之 建築家/デザイナー/ファシリテーター
郷土玩具の魅力を未来に残す活動 [福缶 /「CREATIVE IMAGINATION展」(福缶10周年記念展)]
こんなにモダンで楽しいパッケージで、郷土玩具に注目し、広く人々に知って頂く仕組みを作られたデザインのチカラを祝福したい。
購入者の知る楽しみ、開ける楽しみだけでなく、製作者の送り届ける楽しみもあるのではないだろうか。拍手を贈りたい。
河瀬 大作 テレビプロデューサー
モニュメント [プラモニュメント/ フォトフレーム・郵便ポスト・公衆電話]
町中がプラモデルだったら、っていう荒唐無稽なアイデアが実現させたのがすごい。これからの広がりにワクワクする。まちづくりの本質は、街の誇りをみなが持てるか。プラモデルの街というアイデンティティを共有するため、官民が一体となり取り組んでいるという点に大きな可能性を感じる。
菊地 優里 fennica ディレクター
デザインの美しさは一目瞭然であり説明不要の名作であるが、そのデザインには天童木工ならではの技術力の高さが詰まっている。3枚の同じ形の成形合板を組み合わせたスツールは「座る」という用途だけに留まらず、サイドテーブルとして「置く」やブックシェルフとして「仕舞う」など多岐にわたる。また釘などの金具を使わずに張り合わせられることで、どこから見ても木目の美しさが伝わってくる。用と美、どちらも兼ね備えたデザインは見る人、使う人の心をこれからも長きにわたって豊かにしてくれることだろう。
小林 マナ インテリアデザイナー
吊り金物の中でも画期的で簡単な止め方を考え時短、安全性を確保し施工性を高めた製品である。
従来品は両手で作業し、ナットを高所で締めなければならず、また、締めている過程でナットやパイプなどが落下する危険性もあった。しかし蝶番をセンターからずらすことで仮置きができ、さらにワンタッチで止められる様になっている。従来に比べると1/3の作業時間の短縮は驚くべきだろう。
駒田 由香 建築家
1993年竣工の生涯学習情報センターを図書館にしたリノベーションである。バブル期を彷彿とさせる外観はほとんど変わっていないが、室内は一変し、ダイナミックな中央吹き抜けで繋がるたくさんの居場所を持つ空間に生まれ変わった。
リノベーションだからこそ実現したチャーミングな図書館。
小西 利行 コピーライター/クリエイティブディレクター
フォトギフトサービス [OKURU「こどもの手書きカレンダー」]
画像や映像よりも明らかにデータ量の少ないいびつな数字に、こんなにも鮮明に記憶を呼び覚まし、かつ、ずっと大切にしたくなる気持ちを掻き立てるチカラがあるんだ…と気付かされた。親が本当に何を望み、何を大切にしたくなるのかまでを深く掘り下げ、かつ愛らしく仕上げているのがニクい。
倉本 仁 プロダクトデザイナー
テント シェルター [ムラコ × アンドワンダー ヘロン テント シェルター]
昔から構造がすっきりと美しいセンターポールテントが好きだった。設営がしやすく、いわゆる「テント」の様式を残した三角形の姿もなんだか愛らしい。それで十分だと思っていたセンターポールのテントが外観の趣を損ねることなく、内部の居室空間にたくさんの合理的なアイデアを散りばめられてアップデートされている。喉から手が出るほど欲しい逸品だ。
ライラ・カセム デザイナー・アートディレクター
もうこれは車椅子ではない。乗った瞬間、普段使用している電動車椅子とは全く違う景色が見えました。座面が高く背筋も伸び、立ってはいないけど座ってもいない感覚。機械的設計とロボティックスをうまく組み合わせ、使い手の身体的意志を尊重した感覚的操作を可能にし、いろんな身体性の使用者や使用場面を想像させてくれる。また、手を自由にさせることで使い手を世の中がイメージする「歩けない人」や「ショウガイシャ」に見せない新しいモビリティの形態だと感じました。まだまだ開発段階で、今後いろんな人が使うことで様々な課題や改善点が出てくるかもしれません。でも自信を持って欲しいです。だってこの商品は、今後のパーソナルモビリティーと多くのひとの生活と社会の景色をを変える可能性しかないのだから。
Manfred Wang プロダクトデザイナー
message board [V / message board]
透過磁吸的原理,將基板與文字單元輔以V型摺角,使人可隨意地將磁鐵字母排上所要傳達的訊息,且讓人能輕鬆對位,視覺上看起來乾淨俐落並條理分明,可以用在餐廳、咖啡店的menu、或創造驚喜的留言板,產品設計簡潔,V型摺角自動構成的陰影,加上簡單的解決方式,使造形和機能相輔相成、密切連結而形成設計的不可取代性。
松本 博子 デザインディレクター
自社商品領域の枠を超え、地域課題や環境貢献を目的とした新会社は、わずか半年の間に様々な実験的活動で、多様な地域や人々をつなげる渦を創りながら進化し続けている。このような活動は人から言われてできるものではない。並外れた主体性と実行力を持ち、中心となって活動するメンバーの強い思いに賞賛を贈りたい。
三宅 一成 デザイナー
トライアルバイクは他のモータースポーツに比べてEV化のメリットが多くあると思われる。
これを機にコンパクトな屋内競技場等ができて、もっと身近な競技になってほしい。
宮沢 哲 デザインディレクター/プロダクトデザイナー
外付けストレージは様々な映像や写真などの記録を一時的に保管する、いわばコップのようなもの。だからこそいい意味での素っ気なさによって、この道具が持つ「美しさ」を際立たせていると思う。
水口 克夫 アートディレクター
農業分野におけるデザイン経営の導入 [さがアグリヒーローズ]
地域の仕事に関わっていると必ずぶち当たる課題がある。プロモーションとブランディングの違いの理解度、達成目標をどのレベルに置くかの共有、プロデューサーの不在等々。この「SAGA AGRI HEROES」はそれらの課題を丁寧に解決している。その陰に優秀なプロデューサーがいるからだろう。
水野 祐 弁護士
介護施設向け高齢者見まもりサービス [安心見まもりサポート MelCare(メルケア)]
2年前から家族が介護施設に入居しており、介護業界の課題が「自分の事」となりました。介護業界の課題に対するデザイン的な解決の提案はありますが、転倒センサーとスマホとの連携、入居者の現況が直感的に把握しやすい施設マップのUI等、介護の現場で本当に求められているものにフォーカスしていると感じました。今後への期待を込めて「私の一品」とさせていただきます。
森口 将之 モビリティジャーナリスト
落ち着いたスタイリング、先進的なインテリア、静かで滑るような走り。あらゆる面で軽自動車を超えている。それでいて狭い車庫を想定して、充電口を運転席側に集めたという配慮もある。ダウンサイズはしたいけれど、車格は落としたくない。長年軽自動車と暮らしてきた人たちに寄り添ったものづくりに感心した。
ムラカミ カイエ デザイナー/クリエイティブディレクター
サンダル [アクティブリーズ 3D サンダル/1013A122]
直感に訴えかける、美しさや機能を備えたこれからのフットウェアの形。更なる進化にも期待。
村上 存 設計工学研究者
体重など毎日数値化して健康管理の目標意識を高めるのは好きなのだが、記録する根気に欠けるので、一週間程度で熱が冷めてしまう。しかし、コロナ禍での体温チェックと履歴の記録は趣味でなく半ば義務である。これまで途切れ途切れながら続けてきたが、この電子体温計とアプリがあれば、その苦労から解放されそうだ。
中川 エリカ 建築家
子どものあし成長予測ツール [ASICS STEPNOTE]
子どもの足は、いつも気がついたら大きくなっていて、靴の買い替えは後手後手になりがち。
そんな問題を楽しく、遊ぶように解決してくれるツールは、子育ての必需品になりそうです。
足型でつくる「あしあーと」は、多くの家族に幸せなひとときをプレゼントするでしょう。
ナカムラ ケンタ 編集者/求人屋
2地域を拠点に生きる人たちが増えてきた。コロナ禍でリモートワークが社会に溶け込んだこともあるだろう。ただ、大人は柔軟に対応できても、子どもたちが学校を行き来することは簡単ではない。デュアルスクールはそんな課題を解決しながら、新しい価値を創出できるのではないかと期待している。
成瀬 友梨 建築家
まるで靴下にように、履いていることを忘れるような軽さと柔らかさのあるパンプス。先が尖った靴は、足が痛くなりがち。でも、これは大丈夫。若干のヒールできちんと感もあって、カラーバリエーションが豊富で、どんなコーディネートにも合わせやすい。そして、なんと走れる。仕事に遊びに、旅行にと、いろんなシーンで使いたい、私の選んだ一品です。
西田 司 建築家
奈良井宿の伝統建築の建築リノベーションを通して、エリアのストーリーを丁寧に紡ぎ直しているコミュニケーションデザインが素晴らしい。古くからある地方の集落でも、建築やデザインが地域に出来ることを考えていくと、まだまだポテンシャルあることが示されている。
西村 浩 建築家・クリエイティブディレクター
2次審査会の10日ほど前に、父が他界した。帰宅した父の亡骸を前に、線香を手向けようと火をつけたが、最近の線香は、炎や煙もでなければ香りさえない。少し寂しさを感じていたところに、efuに出会った。真鍮製の実に美しいフォルムを撫でるように、まるで生きているような煙の動きに、涙が出た。
緒方 壽人 デザインエンジニア
ほっちのロッヂ [診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ]
高齢者を高齢者だけにしないというコンセプトとその実践が素晴らしい。在宅医療と病院、高齢者と子ども、ケアと文化、地域との関わりなど、「共に生きる」ための場として大事な要素が詰まっていると感じる。こうした取り組みがモデルケースとして他の地域にも広まっていくことを期待したい。
小野 健太 デザイン研究者, インダストリアルデザイナー
優れた点は、通常、サーバー側とデバイス側のプログラミングを両方習得しないと実現できない接続を、ブロックプログラミングの採用により、ノーコードで設定でき、誰でも簡単に使えるIoTプラットフォームを提案している点である。外観についても、ビジネス機器としてのあり方をおさえつつ、親しみやすいシンプルなデザインとしてまとまっている
大友 学 デザイナー/ブランドディレクター
ただの透明のクシャクシャだったラップ。色をつけるだけでこうも用途が広がるとは驚き。どちらかと言えばネガティブに捉えられがちな樹脂製品だが、デコ弁や工作用途など、より暮らしを楽しむ方向へと価値性を見出せたこと。ポジティブな意識から生まれたハッピーな切り口は応援したくなる。
Qiong Wu インタラクションデザイナー/インダストリアルデザイナー
This product is a good example of applying new technology to help make life easier for people in need.
The design solves the problem of urinary incontinence nursing for the bedridden elderly through odor sensors combined with AI technology to continuously improve detection accuracy. The design concept bridges the gap between products and services, intelligence and data. The product’s simple and meticulous design keeps costs affordable and allows for easy cleaning and maintenance.
佐々木 千穂 ユーザーエクスペリエンスデザイナー
ヘッドホンと外の世界をつなぐことで、こんなに人の可能性を広げ、優しい体験を生むことができるのだと感動した。「ターゲットユーザー」という固定観念を取り払うことがいかに力強い結果を導くか、改めて思い知った。
佐藤 弘喜 デザイン学研究者
折りたためる踏台はこれまでも存在したが、軽さとコンパクトさ、強度、折りたたみの容易さで、単純な道具である踏台を再定義したといえる。ノートパソコン程度のサイズからワンタッチで展開し、乗ってもぐらつくことがない。携帯性の高さからアウトドアでの撮影やキャンプなど、さまざまな使用シーンが期待できる。
重野 貴 プロダクトデザイナー
プレス機向け金型用クランプ [イエロークランプシリーズ ピストンクランプ]
2020年の受賞以来、個人的に気になっているのがこのイエロークランプ。油圧機構を本体に内蔵した金型用のクランプだが、本製品はさらに合理化を追求した設計としてシリーズ化され、その結果デザインもよりミニマルで象徴的なものとなった。自身の日常生活で使い道がある訳ではないものの、鮮やかなイエローとブラックのコントラストによる機能的佇まいは物欲をくすぐられるものがある。コンシューマー向けに用途開発できるのではないかと密かに感じている魅力的な一品である。
清水 久和 プロダクトデザイナー
軽い!専用カバーを着けても驚きの軽さである。これは、出張や打ち合わせにノートPCを持って行きたくない私にぴったりな製品ではないか。全てを盛り込もうする無難な商品開発になる事なく、しっかりと軽さに狙いを定めたデザインが気持ちの良い商品を生んだ。まさに「紙」の様なデザインである。
菅原 義治 クリエイティブディレクター
腕時計 [ブローバ アキュトロン スペースビュー 2020]
レガシーを現代に蘇らせることは常に難しいが、スペースビューのデザインチームは賞 賛に値するデザインクオリティで実現した。腕の動きがエネルギーをうみだす持続可能 テクノロジー、静電発電メカニズムを僅か直径 43 ミリに収めた時を刻むマシンは、エ コロジカルな作動に美しさが宿っている。ひとが時を確認する行為に新たな意識をもた らす可能性を感じた。
鈴木 元 プロダクトデザイナー
強風でも、大雨でも、このペグでタープが固定されていると安心する。鍛造で作られているから硬く粘り強く、ぬかるみでも砂地でも深く潜りこんで地面に絡みつく。
ハンマーで鉄の塊をぐいぐい打ち込む感触が気持ちいい。寡黙で、丈夫で、機能的なデザインのお手本。
鈴木 啓太 プロダクトデザイナー
モジュール式パーソナルケアシステム [Panasonic MULTISHAPE シリーズ モジュール式パーソ…]
一つのボディに5種のヘッドを組み合わせて使う、モジュール式パーソナルケア製品を推薦。必要なパーツだけを購入できる合理的なシステムは、ユーザーにも環境にも優しい。使い捨てプラスチック製品が制限され、旅先のアメニティも使用しない事が一般的になりつつある今、セルフケアに大変役に立ちそう。ミニマルだけれど必要十分な機能性は、今の気分にも合っている。私のトラベルケースの必需品になる日が楽しみだ。
太刀川 英輔 デザインストラテジスト/進化思考提唱者
日本の山間地域にはガソリンスタンドが少なく、また軽自動車しか入り込めない道も多い中で、完成度が高く安価なこのEVは1つの希望だ。防災観点でも蓄電池として地域のレジリエンスに有効だろう。エネルギー需要が逼迫する中で、ネットワーク型の電池として機能する可能性を感じさせるプロダクトだ。
田子 學 アートディレクター/デザイナー
シャワーを浴びる行為の簡易的な概念を温浴を目指し取り付けだけを簡便にして、様々なニーズに対応する為のデザインがされている。
玉井 美由紀 CMFデザイナー
オフィスビル [GOOD CYCLE BUILDING 001 淺沼組名古屋支店改修PJ]
環境配慮や負荷軽減は必須であるにも関わらず、様々な【事情】で動けない事が多いです。淺沼組名古屋支店改修は、自社ビルリニューアルを用いて、自ら(実験台的に)次世代環境配慮型建築のサンプルとして素材循環やエネルギー負荷軽減、メンテナンスに至るまで考え、素材開発まで行っているところが素晴らしいです!!
田中 元子 グランドレベルデザイナー
地域で子ども達の成長を支える活動 [まほうのだがしやチロル堂]
貧困や孤独な子どもたちを地域で支える、という目的のもと、貨幣の価値を魔法の動詞「チロる」で変換。大人は楽しく寄付でき、すべての子どもたちは尊厳が守られつつ、その支援を受けられる。ワクワクする楽しさが行き届く背景には、制作者の経験値と感受性が見て取れる。隙のない完璧なデザイン。
辰野 しずか クリエイティブディレクター / デザイナー
杖(T字杖、ロフストランドクラッチ) [ヴィルヘルム・ハーツ]
初めて見た時に、素敵な家具に出会ったかのようにワクワクした杖。持ってみたい!使ってみたい!という気持ちになった杖は初めてだ。カスタムオーダーでその人にあった形を一点一点デンマークの職人さんが制作しており、作りも美しい。革が使いこむほどに馴染んでいくので、使い手にとって一生物の杖になりそうだ
寺田 尚樹 建築家/デザイナー
薄さ8mmの扉枠と一体となった丁番。8mmの薄さにさらに面取りすることで住宅のドア枠という機能を満たした上で、クリーンでシャープなディティールを実現させた点が素晴らしい。
手槌 りか プロダクトデザイナー
電動工具 [HiKOKI 18V コードレス冷温庫 UL18DB,UL18DC]
「温かい&冷たいものを食べたいときに外で食べる。」「冷たいアイスを溶かさずに運ぶ。」「市場で買った新鮮な魚貝をそのまま持ち帰る。」冷凍と冷蔵、冷蔵と保温、仕切れる庫内が野外でのおいしいを実現してくれる。私が今一番ほしいアイテム。
手塚 由比 建築家
このZEROPODのすごいところは、床から60cm浮いたテント空間が5分で設営できるところである。床がメッシュで出来ているので座り心地も寝心地もいい。どんな地形にでもすぐに設営できるので、大自然の中に持ち出せる。大自然の中にこのZEROPODを持ち出して過ごしてみたいと思わせる一品である。
内田 まほろ キュレーター
歩けない人も、歩きたくない人も、練習も免許も必要なく、両手を解放し、ただ座り、行きたい方向に意識を向けたら前に進む。2輪とロボットテクノロジーを駆使した、このプロダクトの今後を見守りたい。好奇心のままに二足歩行をはじめた人類の次の進化に立ち会うようで、最高にドキドキするから。
内田 友紀 都市デザイナー
ビジネスモデル [ユートピアアグリカルチャーの持続可能なビジネスモデル]
環境負荷が高いとされる現行の酪農、見過ごされている山地の活用などのさまざまな課題を捉え、地球にも動物にも人にも美味しいフードサービスを展開。理念を実行するために、サービス開発やストーリーの伝達など、さまざまなアプローチをとっている。
1次産業から3次産業まで統合して、これからの社会における循環の系を描く、循環デザインの実践として感銘を受けた。
上西 祐理 グラフィックデザイナー、アートディレクター
「デザイン」の持つ意味や領域が拡張していますが、専門的な知識や技術を持った人の手により、丁寧に人や企業の想いをかたちに落とし込み生まれた仕事は、やはり力強い。
紙の本は古いメディアとされつつある昨今ですが、この100年の社誌を見て、紙の本の存在意義を感じ、嬉しく思いました。
渡辺 弘明 インダストリアルデザイナー
ウォールフィットテレビ [Panasonic TH-55LW1/TH-55LW1L]
昨今、ディスプレイの狭額縁化により、テレビのどこをデザインするのだ?とデザイナーは嘆く。
だが、この製品を見るにつけ、それは早計である。
賃貸ゆえ諦めていた壁掛けは、細いピンを活用した特殊な金具の開発により解決。
邪魔なケーブル類は電源コード一本に。それを巻き取るスペース効率の高さに感心する。
背面を白くし、壁と一体化したデザイン。極薄ディスプレイが浮いているようにも見える。
デザイナーがやるべきことはまだまだあるのだ。
Xiaoxi Shi インダストリアルデザイナー
At first glance, this set of utensils are beautiful and iconic, one-piece design meet today’s aesthetic , stretched proportion makes it special and approachable.
When look deeper, wide handle provides better grip and can be also used as stand for chopsticks placement, it perfectly creates user friendly experience for limited kitchen or dining space, this smart approach is perfectly showing what user-centric design should be. But best inspiration from this simple product is how classic existence can be challenged for better, let us believe there is always space for creativity.
柳沼 周子 チーフバイヤー
おろし金 [トミタ式安全おろし金(刃を使わない安全なおろし金)]
「刃」がなくてもおろせる。おろし金にこんなイノベーションが起きるとは思わなかった。生姜やニンニクはもちろんのこと、ハード系のチーズもいける。けがの危険がなく、安心して使えることに加え、食材や繊維が刃に残らず、劇的な洗いやすさにも感動する。このデザインが老若男女どれだけの人を助けることだろう。
山﨑 健太郎 建築家
医療と福祉を横断した地域の子育て拠点 [船橋青い空こどもクリニック]
一見すると控えめなデザインで、いわゆる建築雑誌を賑わすものとは違っているかもしれない。しかし、医療と福祉を一体的に計画する時には、いかに日常をデザインするかが大切なはずで、丁寧にデザインされた軒下や風景に馴染むシルエットは、きっと地域の人々に安心感を与えてくれるものだと思う。こういう穏やかで美しいデザインを心がけた設計者たちの姿勢に、あらためて襟を正したい気持ちになった。
山田 遊 バイヤー
10年間以上仕事で燕三条に通い続けている中で、鉈のデザインを更新すること自体がとにかく新鮮に映ったと共に、初めて鉈を「欲しい!」と感じた一品。
山梨 知彦 建築家
鉛筆が好きで、短くなるまで使う。チビた鉛筆にはホルダーが重宝するが、大げさなものが多く使う気になれなかった。ところがこの「両端がつかえる鉛筆キャップ」は極めてシンプルながらも、チビた2本の鉛筆を守るキャップにもホルダーにもなる。消しゴムで出来ていたら、手放せない逸品になりそうだ。
山阪 佳彦 クリエイティブディレクター
国立公園の自然を学ぶ体験コンテンツ [川湯の森ナイトミュージアム]
ありのままの自然をそのままミュージアムに変えてしまう、ライトアップのチカラ。光と闇のコントラストが織りなす視覚的な効果に加え、ここでは風も、静けさも、虫の声もすべて演出になっているんですね。手を加える部分と加えない部分のバランスが本当に素晴らしい。五感体験の上質なデザインに、ワクワクしました。
山﨑 宣由 プロダクトデザイナー / UXデザイン研究者
構成要素が合理的かつ繊細にまとめられ“入ってみたい”と思わせる「佇まいの美しさ」に惹きつけられます。床がなく開放的な開口はストレスなく優しく室内へ導き、その空間は程よい静寂に包まれ自身の存在感を心地よく感じさせてくれます。茶室を想起させる居心地と籠ることの安堵感を他とは違う上質な魅力として体感できる素晴らしい一品です。
安井 重哉 UIデザイン研究者
スライドの印刷などA4用紙では持て余してしまう場面は多いものである。本品はここにカット機能を導入することで、レスペーパーにも貢献できる新たなUXを創出することに成功している。
横田 響子 プロジェクトオーガーナイザー
地方か都市部かの選択でなく、どっちも。
子供たちが地方と都市双方の日本の豊かさや魅力を経験できる学校。贅沢だけど当たり前になったら嬉しい、多様な価値観醸成にうってつけの仕組みです。数ある難題が想定される中、徳島県および教育委員会とともに実証を重ねている点に感動しました。今後全国的に広がることがとても楽しみです。多地域就学で育った子供たちが大人になったら!を想像したら明るい気持ちになりました。とにかく応援しています。
吉田 愛 建築家
昆虫の脚のようなしなやかな構造で設営時間はわずか5分。ゴルフバックに収まるコンパクトなサイズ感と地上から浮かすことでの快適性。傾斜地や凸凹地でも自然を傷つけずかつデザインは所有したいと思わせる美しいディテールで納められておりその完成度は見事です。美しい自然の中にひととき居座らせて貰う。立ち去った後は何も残さない、そんな佇まいに共感しました。自然に敬意を払い自然との共存を図る姿勢で設計されておりこれからの時代の手本となるグッドデザインだと思い選びました。
吉田 貴子 インテリアデザイナー
シンプルで軽やかなフォルムのオフィステーブル。それがとてもスムーズに昇降する。スリムな4本脚が静かにスーと上下し、好みの高さで使用できる。
従来型の昇降します!の主張がなく、美しくさりげない存在感がオフィスシーンだけでなく暮らしの中にも取り込みやすいのもよい。
吉泉 聡 デザイナー / クリエイティブディレクター
掃除機 [日立 コードレス スティッククリーナー PV-BH900SK]
既存の家電に見られる、加飾のための塗装やシート表現などが生み出す「高級感」とは決別し、循環する再生プラスチックなりの「新たな美しさ」を定義しようという気概を感じました。
今後さまざまな家電領域に展開していく事で、新しいデザイン言語が立ち上がってくることを期待したくなる提案です。